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朝岡 秀人; 数又 幸生*; 武居 文彦*; 野田 健治
Physica C, 268(1-2), p.14 - 20, 1996/00
酸化物超伝導体YBaCuOの結晶成長において、液相量が十分に存在する固液共存状態から育成した高品質のYBaCuO結晶を不活性ガス中でアニーリングし、再び正方晶に相転移させた後a(b)軸方向から加圧しながら酸素を導入した結果、同一YBaCuO結晶内に双晶領域と完全に双晶境界のない領域を得ることができた。双晶領域と無双晶領域とを比較し、双晶領域の磁化率-温度曲線におけるマイスナー分率は相対的に減少すること、磁化のヒステリシス曲線において5~20Kでは双晶領域のMは減少し、60~80Kでは増加することを明らかにした。つまり高磁場中の低温域では双晶境界に沿った量子化磁束の結晶外へのはきだしが行われていたが、温度の上昇と共に量子化磁束の束としての運動が主になり双晶境界にそったはきだしが困難となった結果、逆に双晶境界が量子化磁束の運動を阻害する方向に作用したものと考えられる。